オーケストラの演奏会に行くと必ず指揮者がいます。
指揮者なしの演奏会を見たことがある人は稀ではないでしょうか。
オーケストラが入ってから最後に拍手とともに参上し華やかに音楽と合わせて指揮をしてまた先に拍手の中去っていく。
なんてカッコ良くて特別な存在なんだ。
“ただ”棒を楽しそうに振っているだけなのにいるの?
なんて思ったことがある方もいるかもしれません。
この記事では指揮者がオーケストラで何をしているか、どんな役割があるのかを解説していきます。
読み終えた時には指揮者の見方が変わっているかもしれませんよ。
Contents
指揮者の仕事・役割
まず指揮者の仕事って何かって言われるともちろん指揮をすることですよね?
目に見えて分かることと言えばなんでしょうか。
- 演奏の始まりや終わりの合図を出す
- 曲に合わせて指揮をする
こんな感じでしょうか。
指揮者の仕事はこれだけではありません。
演奏する曲を音楽的に分析し、作曲者の意図を汲み取り、自分の中でかみ砕き、解釈をする。
そしてそれをオーケストラにぶつけて40-80人もいるようなたくさんの人の音楽を1つの方向へ導き作品を作ることです。
一言で言うならば、音楽の先導者になること。
これが最も大きな指揮者の仕事であり役割と言えるでしょう。
指揮者は社会の役割で言うと社長?
音楽の話で進めるとイメージが沸きづらいかもしれませんが、社会に置き換えると分かりやすいかもしれませんね。
社会には会社が存在します。
会社には従業員がいますよね。
そして会社の理念や方向性に従って働く。
その結果、1つの成果を得て報酬を得てそれをやる気にして、「この社長の元で働くのが良い」と思い、またその人と仕事をする。
そんな流れが理想的でしょう。
では、音楽に置き換えてみるとどうなるでしょうか。
会社が演奏する作品だとしましょう。
色々な楽器を演奏するプレイヤーが従業員です。
プレイヤーたちは会社があるので正直理念などがなくてもやることが分かっていれば働くことは出来ます。
しかし、会社の方向性や理念がなければやり方に違いが起きたり、もめ事が起きた時解決する”基準”がなくて困りますよね?
その基準を作るのが会社では社長にあたるのでしょう。
事業を進めるのか、他社の交渉に応じるのか、最終判断を下すのが社長です。
音楽も同じで色々な才能あるプレイヤーたちが想い想いに作品に対して自由に演奏するとちぐはぐになってしまう部分があります。
それを指揮者が見定め、判断し推し進めていくのです。
このようにオーケストラと指揮者の関係は会社と社長の関係に酷似している部分があるのでそのように言われることを知っている人もいるのではないでしょうか。
指揮者とオーケストラ
指揮者の大きな役割は紹介しましたが、オーケストラと言ってもプロのオーケストラと市民団体や学生が立ち上げているアマチュアのオーケストラがあります。
そこでは指揮者の役割は少し違ってきますよ。
その辺りを解説していきましょう。
指揮者とプロのオーケストラ
相手がオーケストラであればプロであろうがアマチュアであろうが大義は変わりません。
もっと言えば、相手がオーケストラでなく吹奏楽や合唱、オペラやバレエなど指揮者が必要だと言われるジャンルでは全て同じと言っても良いでしょう。
そう、音楽の形をまとめ導く者です。
そんな指揮者がプロのオーケストラで求められるのはやはりカリスマ性やズバ抜けた音楽性、そしてプロのレベルで演奏する人が考えて演奏する音楽をまとめ、自分が深く追求し解釈した音楽をぶつけどれだけ共感してもらえるかにつきます。
先ほどの会社を例に挙げると、プロのオーケストラの演奏者はベンチャー企業の社長集団と考えるとわかりやすいですね。
1人でも自分の楽器だけで演奏して人を楽しませる技術を持っています。
つまり、それだけの知識と経験を持っているということ。
それを束ねる指揮者は並大抵の覚悟や知識量、それだけの人たちを圧倒させる”何か”を持っていなければ指揮者の役割が果たすことが出来ないということです。
指揮者とアマチュアのオーケストラ
では指揮者とアマチュアのオーケストラではどうでしょうか。
アマチュアのオーケストラでも色々なレベルがあります。
プロのように一人一人が考え音楽を追求し演奏する楽団もあれば、楽しく演奏することをモットーに、より音楽の魅力を指揮者から教えてほしい、というスタンスの楽団もあるのです。
基本的には役割は同じですが、アマチュアはプロではないので指揮者が願うイメージや指示に対してすぐさま反応できないことも…。
それは悪いのではなく、その方法を知らない、もしくはその要求に対して技術レベルが満たしていないからです。
そうなると、指揮者は改善するために指導者になる必要性が出てきますよね。
つまり、アマチュアオーケストラでは指揮者と指導者の役割を担う必要があるということです。
指導者・トレーナーとしてどのように演奏すれば指揮者の要求に答えられるのか、オーケストラで演奏するときには何を気をつけながら演奏しなければいけないかを伝えていきます。
そうしてオーケストラ自体のレベルのボトムアップを図ることで結果的に導きたい音楽に近づけていくのです。
“指揮者って何をする人?オーケストラでの指揮者の役割を解説!”のまとめ
いかがでしたでしょうか。
指揮者の仕事・役割はいかに音楽を1つの形に導くかです。
相手によって自分の出来る役割の幅も変わりますし、要求されることも変わります。
そこに柔軟に対応できるようにするためにもよりたくさんの知識や経験が指揮者自体にも必要です。
社長が会社のトップの裏で色々と会社のことを考えているように、一見華やかな指揮者も常に作品のことを考え良くすることを考えているという意味では全く同じ。
これから演奏会に行った時には「この指揮者はどんな音楽を作りたいんだろう?」と思いながら見て頂くとまた違った発見があるかもしれませんよ。
素敵な音楽ライフをお楽しみください!
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