あなたは指揮者を見ていて音と比べて指揮の方が先に振っていないか?と感じることがあるでしょうか。
あの事象には実は理由があるのです。
この記事では先振りの必要性や正しい先振りに関してお伝えしていきます。
ぜひご覧ください。
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指揮をする時の先振り(前振り)って何?
少し根本的な話ですが、改めて先振りって何かを知っていますか?
前振りと言う人もいるかもしれませんが意味は同じです。
要は演奏者と同時に指揮をするのではなく半拍ぐらい先に振ることです。
この状況が起きるには2種類の理由があります。
順に紹介していきますね。
指揮をする楽団がアマチュアオーケストラの時
指揮をしている楽団がアマチュアオーケストラなどプロではない時に先振りをする人がいます。
この場合、主な理由が団員が演奏しているテンポが自分が思っているより遅くて早くしたい、「ついてこい!」と言うように急かしたり、仰いだりする場合に行うことがあります。
基本的に本番ではなく、練習時にやってしまいがちですね。
こういった指揮を見てプレイヤーの一部は早く演奏して一部は追いついてこない。
そして分離してしまう…ということが経験が伴っていない指揮者がやってしまうと起こりがちです。
特に学生指揮者の人がやってしまいがちなのですが、注意が必要です。
純粋な演奏者なら「遅くてすみません、指揮が見れていなくてすみません」と、なりますが、「何一人で先先振ってんの!?」と仲間割れの原因にもなりかねません。
もし先振りを使って音楽を運びたいならきちんとプレイヤーの音を自分の手中に収め、一緒に前進することが必須です。
先振りはうまく使えばテンポアップをすることが可能ですが、やみくもに行ってしまうと信頼を失い孤立してしまいます。
この記事を読むあなたがアマチュア指揮者ならばこの技を使わずに、一度止めて「ここはもっと前に進んでいます」と言葉を使った方が無難です。
無理をしないでくださいね。
指揮をする楽団がプロオーケストラの時
さて、状況が違うのが相手がプロオーケストラの場合です。
例によく出されるのが、ドイツのオーケストラは指揮を振り下ろしてから半拍遅れて音が出る、という話ですね。
最近ではジャストで音をくださいと言えば、遅れずに音をくれるオーケストラもあるようですが。
その話はさておき、プロに限らずアマチュアでもうまいオーケストラはこの様な状況が起きます。
それはなぜかというと、オーケストラだけでその曲に対してすでに曲が仕上がっているからです。
どういう意味かと言うと、簡単な曲になるほどそのオーケストラごとの特色が出てきます。
曲の速さやテンポの緩め方や速め方などですね。
そこに指揮者が登場しても自分たちのテンポ感がしみついてオーケストラが動かないような印象を指揮者は受けます。
そうなると、結果的に半拍ずれたような状態で振り続けることになるのです。
これは慣れていない指揮者にとってはなかなかに難しい。
なぜかというと、ジャストで音が鳴るならば自分の指揮と共に音楽が進むのでズレがないですが、この様にズレると常に先振りする状態が続きます。
つまり、常に自分の頭の中で先に音楽を流しそれを手に伝えて表現する。
しかし実際に聴くことができる音は自分がすでに半拍先のことを振っている時に振り終えている音聴こえてくるのです。
まるで腹話術のように。
ここで実際に聴こえる音に手が取られてしまうと先振りが崩れ演奏が一気に崩れます。
一度先振りになってしまったら最後まで先振りで終えなければいけない状態になるのがプロのオーケストラやうまいオーケストラで起こる事態です。
難易度は高いですし、それだけ明確に音楽に頭に入っていないと出来ないので、正直言って初心者や学生指揮者には難しい振り方だと言えます。
だからこそ、負わないで済むリスクは負わない方が良いですね。
不思議なものでプロのオーケストラ相手でも最初は先振りにしかならなかったのに信頼が出来るとジャストでオーケストラを運べる(音が流れる)ようになることも実際に起こります。
一番大事なのは先振りをするかどうかよりも指揮できちんと信頼を得る、ということですね。
“指揮の先振りについて必要性を紹介!間違った前振りは信頼を落とすだけ?”のまとめ
いかがでしたでしょうか。
先振りの必要性に関しては、技術があるなら言葉でなく、指揮で提示するという意味で使うことが出来ますが、なかなかに難しい。
プロのオーケストラなど相手の場合は先振りがしたくてしているのではなく、まだ信頼関係などが薄く、自分の指揮についてきてくれない為に、結果的に先振りになっている場合があるということです。
いずれにしても少し高度な技になるので無理に使うことはおすすめできません。
むしろ下手をすれば信頼を失うので初心者は使わない方がいいでしょう。
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