あなたはオーケストラを指揮しますか?それとも吹奏楽ですか?
自分で立候補鵜したり誰かに推薦されたり、もしくは自分がたまたまやらざるを得なくなってしまったり…。
色んな理由で指揮をすることになったのでしょう。
そしてどうしたらいいか悩みこの記事を読んでいるのかもしれません。
この記事では指揮と指導の違いとは何か、学生指揮者になったら何を意識して何をすべきなのかを学生指揮者を経験したプロの指揮者が紹介していきます。
少しでも参考になれば幸いです。
Contents
指揮者が空気を支配する
学生指揮者になるとたいていが独学でやるか先輩や伝統の流れの中で進めていくことになるでしょう。
あなたがプレイヤーとして先輩指揮者を見ていて思うことってないですか?
「楽しいな」と感じるのか残念ながら「退屈だ」と感じるのか。
はたまた「空気感が恐いな」と思うことがあるかもしれませんね。
これって何が原因かと言うと、演奏が出来ない人のせいではないのです。
確かに演奏者が出来ていないから、学生指揮者が色々言って空気が悪くなることもありますが実は演奏できていなくてもあなたがイライラせず丁寧に向き合い、解決してあげることが出来れば空気は悪くなりません。
実は合奏の空気感というのは全て”指揮者が支配”します。
例外はありません。
あなたが何を思い、何を考え、何を発言するかに全てがかかっています。
少し荷が重いと感じたかもしれませんね。
ごめんなさい。
脅すつもりではないのです。
大丈夫です、これから役割や指導法を紐解いていくので安心してください。
ここで言いたいのは誰かのせいだ!と思いたくなることもあなたの行動1つで楽しい合奏をし続けることが出来る可能性があるのです。
そんな風に音楽が出来たら幸せだと思いませんか?
ぜひみんなに愛される学生指揮者になってほしいです。
指揮者が別にいる時と自分が本番も振る場合の役割
では、具体的な話に落とし込んでいきますね。
学生指揮者には2つのパターンがあります。
自分が本番も指揮をする場合と本番は客演指揮者や常任指揮者(専属指揮者)が振るので自分は普段の練習指揮者(下振り)のみを担当する場合です。
分かりやすく言うと、料理で言う下ごしらえまでで終わる(練習指揮者)のか、最後の味付けをするところまでする(本番指揮者)のかという感じです。
指揮において練習指揮者がメインの場合
前者の場合は基本的に本番指揮者の行った合奏を元に改善点を合奏で行うことがメインの作業になります。
おそらく本番指揮者は合奏の中でプレイヤーの方々に宿題を出しているはずです。
それは音程かもしれません、ハーモニーを合わせることかもしれません、アンサンブルを気をつけて演奏することかもしれません。
可能であれば後で見返せるように本番指揮者に依頼して合奏の風景を動画で撮っておくことをおすすめします。
本番指揮者独特の振り方というのもあるので、テンポ感や振り方をマネできるようにしておくとプレイヤーの人たちはあなたの努力や安心感も増していきます。
これが主な練習指揮者の役割です。
本番指揮者までが来るまでの練習でやるべきことは音程など細かい部分で合わせられることは先にアンテナをはって注意しておくことと、本番指揮者が来てその指揮者が振ったテンポにすぐに対応できるように余裕があれば何パターンかのテンポで演奏できるようにしておけるといいですね。
練習方法としてあなたがわざと違うテンポで振ることを告げ、プレーヤーに”指揮を見る癖”をつけさせるというのがこの練習の真意です。
この流れを見て分かるように音楽性に特化しているわけではないですよね。
つまり指揮者ではあるものの”指導”としての役割がほとんどなわけです。
これが練習指揮者(下振り)の仕事ですね。
指揮において本番も振る場合
本番をあなたが振る場合は練習指揮者の時に”どんなテンポで振るのだろうか?”とか”どれくらいリタルダンドをかけるだろうか”など、いくつか準備する必要があったものが全てあなたに権限が渡されます。
それは無駄な練習をしなくていい分、責任を伴い迷うのも事実です。
色んな音源を聴き、どんな音楽に仕上げたいのか、自分が振る楽団でそういったテンポが可能なのか、などを考える必要があります。
ここで大切なのが演奏者の時の自分の指揮者の見方です。
指揮者になると演奏者だった時の自分を忘れ無理難題を平気で言ってしまう場合があります。
仮にそれが正論だったとしても「じゃあお前やってみろよ」と言うように相手との心の距離が離れてしまうこともしばしば見かけます。
どんな風に伝えればやってくれるのかということを常に考えて下さい。
指揮者と言えど相手は友達です。
友達に「これやれよ!」って言いませんよね。
「難しいけどやってみよう。チャレンジしよう!」と言うだけで同じことを言っても捉え方が大きく変わります。
実はこういった気遣いが合奏の空気感を作る一つの大きな要素なのです。
忘れないでくださいね!
指揮者は注意することだけが指揮者ではない
これはワンポイントアドバイスです。
指揮者は人の前に立って音楽を先導する立場の人です。
作曲家が意図した事を代弁者として遂行するために時にはキツイことも心を鬼にして言わなければいけないこともあります。
例え言い方を優しくしたとしても言っていることには変わりないですからね。
ただ、忘れないでほしいのが出来ていることに対しては「出来ている」ということも伝えるようにしましょう。
プレイヤーはあなたが何を出来ていると感じて何が出来ていないと感じているのか分かりません。
繰り返し練習するだけでは「ダメで諦められたのかな?」と思われることもあります。
だからどこかを抜き出して練習して出来た時にはきちんと褒める。
「それで行きましょう。」などOKサインを出してあげて下さい。
出来ていない時は「次回にまたやるのでそれまでに見直しをお願いします」ときっぱりと伝えましょう。
メリハリと人の気持ちを配慮することが大切です。
“指揮と指導の違いって何?学生指揮者になったあなたがやるべきこととは!?”のまとめ
いかがでしたでしょうか。
指揮をすることと指導の違い、それは練習指揮者と本番指揮者の役割の違いでもありました。
指揮者が”偉い”と思ったらそれが態度にも出てしまいます。
ヴァイオリンやフルート、トロンボーンといったそれぞれの役割があるように指揮者と言う役割があるだけです。
ただ、それが一人しかいないので責任も大きく注目も浴びやすいだけのこと。
過大評価をしなければきっとうまくいくことでしょう。
悩んだ時は1人で抱え込まずに仲間と一緒にうまく学生指揮者を全う出来ることを祈っています。
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