指揮をすることになって考える疑問の中に”左手の使い方”がよくあがります。
右手はリズム、左手は表現。
なんてフレーズを耳にしたことがあるかもしれませんね。
でもそもそも表現って具体的には何をするの?
とか思うかもしれません。
この記事では初心者が感じる左手の使い方を解説し疑問をなくしていきます。
思っていたイメージが一新する可能性があるので一度ご覧ください。
指揮者の右手と左手の役割
さぁ早速指揮者の右手と左手の役割のお話をしましょう。
冒頭でもお伝えしたように右手はリズム、左手は表現なのか?
という質問ですが、あくまで結果論です。
結果的に役割の頻度が右手はリズム(拍子)を提示しつつ、左手で表現することが”多い”というだけです。
別に決められているわけではありません。
それはどういうことか。
当然演奏する曲によって変わってくるのですが、右手でリズム(拍子)を取っていますが、リズムを取りながらそのまま右手で表現することもあります。
逆に表現重視と言われている左手だけを使って表現を左手でしながらそれがリズムを汲み取ることも可能ならば右手を使わない時すらある、ということです。
両手を使ってリズムを提示することもあれば、両手を使って何か強い想い、祈り、哀しみの感情を表現する時だってあります。
例をとりあげるとキリがないですが、早い話が”何でも良い”のです(笑)
「おいおい、それじゃどうやって練習していけばいいんだよ!」と言うツッコミも聞こえてきそうですがそれは後に紹介していきますのでご安心ください。
ここでは、右手と左手の役割の概念が伝わればそれでOKです!
指揮の基礎練習が不可欠
指揮にも実は基礎練習が存在します。
何それ!?と思うことでしょう。
楽器を演奏する人ならばロングトーンやスケール(音階)、合唱の人なら発声練習などでボトムアップを図りますよね?
指揮者の場合は4拍子や3拍子の図形をひたすらメトロノームを鳴らして鏡で自分を見ながら指揮をする、という基礎練習があります。
地味でしょ?(笑)
少し専門的な話になりますが、4拍子を振るにしても「叩き」「しゃくい」「平均運動」といった指揮の技の名前があります。
詳しく学びたいという人は、初心者向けのこちらの本をおすすめしますね。
さて話を戻します。
先ほどの紹介した指揮の技を習得すべく、メトロノームを鳴らしながら練習することに何の意味があるかというと、その技は演奏で直接使うことができるからです。
例えば、マーチならば叩き、合唱ではしゃくい、流れるような音楽には平均運動というように(※一概には言えない)技を使うことによって右手だけでリズムを刻みながら音楽の表現も出来るのです。
中には気づいた人もいるかもしれませんね。
「じゃあ右手だけを極めれば左手はいらないのじゃないの?」と。
大正解です。
真に指揮をするという意味では、片手で事足りるのです。
というより片手で全てを伝えられるレベルになるのが理想。
とはいえ、”完全に片手だけで演奏する”という人は巨匠のようなプロでもなかなかに存在しません。
そこで登場するのが左手です。
だからあなたが指揮をする時に考える方法としては「左手の役割は表現」とするのではなく、右手でやりきれないことを「左手でサポートする」、というように捉えて下さい。
そう理解するだけであなたの指揮はよりスマートになり、演奏者から好まれる指揮になることでしょう。
指揮で左手が使えるようになりたい
では、これらを理解したうえで左手を使えるようにするにはどうするのか、という具体的な話をしていきます。
左手を使う基礎練習もあるのですが、早い話が右手と左手が違う動きをできるようになればいいのです。
気をつけるべきは左手を動かした時に右手で取っている拍子の速さが変わらないことです。
厳しいことを言うようですが、これが狂ってしまうなら左手で違う動きはしない方がいいですね。
演奏者や歌い手が困ってしまいます。
どうしても左手で何かをしたいなら、そのやりたい箇所のやりたい部分だけを何度も右手で拍子を取りながら左手を動かす練習をするしかありません。
地道ですがこれしか方法はないのです。
指揮者たちはその動きが体に染みついているので楽譜に書いてある表現ややりたいことが右手と左手で溢れていて全く違う動きをすることがあるのですが初心者にはなかなかに難しい。
無理をして誰かに迷惑をかけるぐらいならやらない方がまし、ということですね。
「それでも私はやりたいんだ!」という思いがあるなら練習あるのみです!!
そんな熱血的ではないという方のために1つ簡単な技を紹介しましょう(笑)
基本一刀流で指揮をしてサビになったり、ここは全員で一致団結したい!と言う時に同じ動きでいいので両手で指揮をしてみてください。
不思議なものでそれだけでメリハリがつきます。
今の技は主に合唱コンクールなどで使えますが吹奏楽などでは少し難しいかもしれませんが。
吹奏楽などでメリハリをつけたい時は、指揮の図形自体の大きさを変えるようにすると見栄えが変わります。
p(ピアノ)は小さくf(フォルテ)は大きく振る、というように。
これは実際にプロの指揮者もしていることですので自信を持って取り組んでみて下さいね。
“指揮の左手の使い方を解説!初心者が陥りがちな落とし穴とは?”のまとめ
いかがでしたでしょうか。
指揮者の左手の使い方は意外だったのではないでしょうか。
まとめとして言えることは、やみくもに左手を使う必要はないということです。
慣れてくると勝手に左手が右手と違う動きができるようになり始めるのですが、そうなるまでは、きちんと考えて左手で何をしたいのか。
どの部分が右手だけでは表現したい音楽が出来ないかを楽譜を見ながらよく考えることが大切です。
少しでもあなたが良い音楽を創るお手伝いが出来れば幸いです。
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